すぬぺ自由帳

気がついたらどこかにいるやつ。

初恋相手がバイト中に現れた話

 起こりたくないことに限って発生してしまうことはいろいろな場面である。万全な状態じゃないときのポケモンのライバル戦くらいに。予め断っておくとオタクの風俗レビューぐらいの面白さを追求していないし、豆腐メンタルお気持ち表明を見たいという声があったので過去の因果にウエイトを置いたエントリ。

 

 

 

 小学校のころに根も葉もない噂が飛び交うことはよくある話、というか必ずと言っていいほど起こる現象である。そして、例によって自身も巻き込まれることになった。10年ほど前(当時小6)の話になるので曖昧な部分は多いが、「自分がある女子(以下Aさんとする)に片思いしている」という内容であると同時に「Aさんは別の野球やってる男子(以下Bくんとする)が好きだ」という噂も流布していた(片思い/好きのニュアンスの差は今となってはわからない)。

 幸か不幸か自分はAさんと最後の2年くらいは同じクラスであり、その噂が飛ぶようになってからは主に少年野球のやんちゃなやつらに隣どうしになるよう仕向けられたり、匂わせをでっちあげられたりした結果互いに避けるようになった。学年レベルで噂が広まったこともあってかBくんになぜか事実確認をされた記憶もある。この噂に満更でもない顔をして否定しなかったのが拡大・関係悪化の要因ではないかと今になっては思っている。事実、噂がここまで拡大しなければ告ってもいいくらいに可愛いと思っていた一方、噂が流布したことで嫌われていると感じる場面もありどちらの意味でも苦しかった。

 Bくんは親の仕事の都合で出戻っていたので再度転出(と記憶)、Aさんは地元の公立中学(のはず)へ、自分は電車で小一時間の私学へと進んだので直接的に現状を知る機会は失われた。唯一の機会ともいえる成人式は、天気がよくなかったのか会場が遠かったのか寝ジャーしたのかで出ていないので、道端で年一くらいで会うか会わないかの当時の友人たちが唯一の情報網である。それ以外の人間には恐ろしいほどに遭遇しない。これは無駄話だが地域柄勉強意識が高く、難関国公立とかポンポン行く人間が多いなかで親の対抗心で勉強を嫌々やらされるとFラン私文に落ちついたのが自分である。

 

 つい先日、朝から労働(バイト)にいそしんでいるときの話である。ここ数日急に忙しくなったり天気が悪かったりと何かと気が重い。自動ドアと連動してピンポーンと音がすれば入口のほうを確認しにいくのだが、年の近そうな男性(複数・Bくんはいない)と女性1人がいる。場所と時期柄大学生がいて全く不思議ではない。茶髪でショート~ボブくらいの長さでありえんすきな感じやなあと思っていたら妙に見覚えがある顔。場所的に小学校の誰かというのはすぐに見当が付き、誰か誰かと「小学生特有の100人単位でもだいたいの顔と名前が一致する能力」の色褪せた部分の記憶を高速回転していたらもしや...となる。日を改めて卒アルを見たらセミロングだったが、確かに当時のAさんの雰囲気を残していた。

 先に書いた通り気付いてしまった以上やたらと気まずい。どうやら向こうも気付いたのか同行者の背後に隠れた。代われるなら代わってほしいくらいだが不幸なことに他のバイトがおらず、やたら気まずいなかAさんたちを相手して一旦この場は終わったが、その過程で本人である確証は得てしまった。

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※イメージ画像

 しかし、ここからが「苦しい」。相変わらず可愛いことも、気まずい過去も、男がいるという現実を目の前で突きつけられるのも。今のところで勤めて2年半くらいになるが知人は把握している限り来たことはなく、よりによって最初に来たのがAさんというのも偶然だが苦しくなる。この直後にしばらく外回りに出ることになったのだが、過去を思い返していると胃が痛くなってきた。W!の解散発表のときも苦しんだが、また違う苦しさに襲われる。現在進行形でしっかり推している推しが結婚や交際がリークされたこともない(把握していない)のでわからないが、それに似たようなものなんだろう。「一般男性」になりうる可能性があっただけに、それよりダメージも大きいものなのだろうか。結局雨の降ったこの一日を働きながらも自己嫌悪大会に費やすこととなってしまった。

 職種の性質柄1回の利用で2度窓口に来る必要がある(ex:カラオケの入退店)のだが、夕刻に男性2人だけで戻ってきた。そこにAさんがいないことに失恋に似たものを悟った。気まずい相手がいることにしっかりと気付かれたのか、明確に嫌われていたことが10年を経て現象として発生したのか。急に忙しくなった仕事に精神的にもダメージが増してゆく。この状態で短距離走や障害物走みたいなことをやるには限界がある。

 使用者の記録を削除するのも業務の一環なのだが例に漏れずAさんのもあった。それを消すとき、ただ単に小学生時代の想い出というものと同時に、忘れたい過去というものも混じりあってよくわからない感傷に浸った。思うところはあったが、その履歴を消したところで黒歴史がなくなるわけでもない。そうと解っていても「削除→はい」を押す指は早かった。